京急電鉄 新1000形15次車(1800番台)

Keikyu Corporation - Series"N1000-1800"

 2002年から製造の続く新1000形シリーズの中でひさびさに顔のデザインが変更されたグループ。1800番台(1800形)とよばれる。

 1500形以来の中央に貫通扉を配したレイアウトで、貫通幌を装着することで8両貫通編成と同等の運用につけるようにしたもの。運用範囲は新1000形10次車以降と同等で、成田スカイアクセス線を含めたほぼすべての直通線区で運転できる。ただあくまでも有事の際の車両不足を補うためで、貫通幌は自動でもないしそもそも車輌に装備しているわけでもない。2016年のデビュー後の一時期だけ訓練も兼ねてか貫通幌を装備した状態でしばらく運用され、都営地下鉄やその先の京成や北総にも顔を出した。それ以降貫通幌を使用しての8両貫通運転は行われていない。また従来車からの外観上の変更点として、ステッカーによる従来の赤と白の塗装が再現されていることがある。ドア枠など剥がれやすいところには貼付されていないが、ボディ全体に赤と白のツートンが再現されたのは2006年にアルミ車による新1000形の製造が終了して以来約10年ぶりとなった。ちなみにこのステッカー表現はあまり普及せず、2017年導入の17次車からは異例のステンレス全塗装によるツートンカラーが復活している。

 

京急電鉄 新1000形15次車(1800番台)

編成表

1801   1802   1803   1804   1805   1806   1807   1808

 模型ではBトレインショーティが先発。スケールモデルでは鉄道コレクションの事業者限定品が最初に発売され、しばらくしてグリーンマックスが新規に金型をおこして発売している。のちに鉄道コレクションは通常品も発売したので、実車のプロトタイプはすべてカバーしている。

 これから紹介していくのはそのどれでもなく、グリーンマックスの新1000形ステンレス車にBトレインショーティの顔をつけた自作車輌。"事業者限定品の発売日が仕事だった"という理由により半ば勢いで作り上げた拙い作品で、製品が充実しているいまでは製作記など参考にもならない気がするが、まだ鉄道コレクションしか発表されていなかった当時の力作として思い出程度にお読みいただければと。

 

京急電鉄 新1000形15次車(1800番台)

製作記

 まずは車体の加工だが、前面以外に変更点はないので乗務員室前位置で前面パーツを切り落とした上で側面は塗装を落とすだけとした。

 ボディの色は落とさずとも塗り重ねることはできるが、塗装した後に製品では印刷だった白帯部分だけ線として浮き上がってくるので見栄え重視でいくなら落としたほうがよい。これは全塗装となった17次車などを自作する場合にも有効だ。今回はベースの銀を残したまま"Mr.ツールクリーナー"を用いて塗膜を剥がした。これはネットで調べた技法なので、手順などはもっと優秀な先駆者たちのブログなどから探し出すとよい。なお中間車は塗装変更だけなので塗装剥がしのみ実施した

 上画像はもとの塗装を落としたあと、寸法確認のため仮止めした様子を写したもの。塗装やクリアコートを先にしておかないと、塗装済みでガラスも含め一体成型の前面パーツが汚れてしまうので接着はそのあとにした。位置確認のためにライトをつけたときの感動はその後の制作意欲を駆り立てた。ちなみにプリズムの位置はバッチリだが、標識灯や尾灯が前面パーツのクリア部分で乱反射しやすかったので、すこし前の塗装済キット等についていた2100形や600形の標識灯・尾灯枠ステッカーをパーツ裏から貼ってあげると抑えることができた。上画像はすでに貼付されたあとの状態。

 塗装が落とせたら、こんどは1800番台特有の塗装を再現していく。

 ステッカー表現によりボディ全体にツートンカラーが復活した1800番台。赤と白は実に簡単だが、悩みどころはドア枠と窓枠の銀色。スペースが小さいのでマスキングのしようもない。まず小田急アイボリー→京急バーミリオンの順でベースのツートンを塗装。この時にステンレスの地色で残る雨樋と裾部を先にマスキングして残しておいた。そのあとドア部分を現物合わせでマスキングし、ドア枠だけ露出させた状態にしてシルバーを吹いた。窓枠はできるだけ簡易に済ませるべく、ガンダムマーカーにより縁取っただけとした。ホントはステンレス地色のドア窓周りのプレス部分など再現できていない箇所があるが、目立たないので省略している。最後にクリアコートを吹いて塗装や色差しは終了。

 そのあと続いて前面パーツを接着した。Bトレインショーティは基本的にデフォルメボディなので寸法の違いなどが懸案事項だったが、いざ装着してみると寸法はまったく一緒だったので、Bトレインショーティ特有のパーツ固定用突起をカットすることで種車のスカートやライトユニット、屋根も無加工でそのまま利用できた。ここで注意すべきは乗務員室扉付近のボディで、ライトユニットを避けるために天井部分の梁がなく内側に反りやすくなっているので、窓ガラスやライトユニットなどのパーツを全て装着した状態で接着した。ボディ以外のパーツまで接着してしまう危険性があるので慎重にゴム系接着剤を塗布し固定。瞬間接着剤で内側から補強した。

 ここまでくれば全体の印象は1800番台へと限りなく近づくので、あとは細かい表記類を貼っていくだけ。ナンバーや車いすマーク、優先席表示などはすべてBトレインショーティーの製品収録ステッカーを貼付した。インレタなどで再現するとさらに良かったかもしれないが、手元にはこの1800番台のステッカーが前面パーツの分だけあったのでそれを活用した。昔のBトレインショーティというとステッカーに車番しか収録されていないのが大半だったが、いまではいろいろ入っている。値上げも甚だしいがその分のクオリティアップも感じられる。画像は完成後のもの。Bトレインショーティのステッカーもあなどれない。

 同様の工程を2回行い、1801編成と1805編成を製作して完成とした。

 完成後のグレードアップとして、編成同士をTNカプラーにより併結できるようにした。そのため併結時や8両貫通編成での運用時などを再現できるようライトスイッチを装備したほか、貫通幌を用意した。貫通幌パーツにはTOMIXの113系や211系など近郊型車両などに多い、前面下からクリップ状に装着するタイプを採用することで容易に着脱できるようにしてある。また前照灯位置の適正化を行った。比較的丸い形状の従来の前面用に作られたライトユニットをそのまま用いると上下左右位置は完璧でも奥まった位置で発光してしまうので、ライトユニット上部を斜めにカットして前照灯を前寄りに競り出せるよう調節した。上写真と下写真中央と右は適正化後で、下写真左と比較すると上から見ても違和感のない位置に移動していることが確認できると思う。

京急電鉄 新1000形15次車(1800番台)

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