名古屋鉄道 6000系

Nagoya Railroad - Series"6000"

公開:2022/03/02

 6000系は名鉄初の本格的な通勤型車両として1976年にデビュー。
 7700系譲りのパノラミックウィンドウに上部左右の前照灯、中央には方向幕を備えるデザインは国鉄の急行型気動車を思わせるハイソなもの。加えて下部の標識灯・尾灯が収まるライトケースの横には金属グリルの通風孔があり、ライトケースと連続的に装飾されていておしゃれである。後に時代に合わせてデザインは少しずつ変更されていき(上掲写真参照)、6000系9次車・6500系以降では貫通扉が廃止され3次元的な前面デザインに(いわゆる"鉄仮面")。6500系6次車・6800系3次車以降ではそれ以前の"鉄仮面"デザインが継承されたが、前面がさらに曲線的なデザインとなり、大型曲面ガラスが採用される(いわゆる"金魚鉢")。最後発の"金魚鉢"デザインは以後の3500系にも引き継がれた。
 初の通勤形は、名鉄におけるラッシュアワーの切り札として活躍し、6000系列はベストセラー車両として1992年まで製造された。
※6000系以降の6500系や6800系もたいてい6000系列として内包され、まとめて"6R車"と呼称し共通に運用している。
 このサイトにおいてもすべてまとめて掲載する。なお以後このページで使用するタイプごとの呼称は以下の通り。

 

初期前面

 

鉄仮面

 

金魚鉢



名古屋鉄道 6000系

保有編成表

 

初期前面

中期車(4連)

6029    6329   6129   6229

6030    6330   6130   6230

中期車(2連)

6019   6219


三河線ワンマン車(側面窓保護棒付)

6043   6243

蒲郡・広見線ワンマン車(運賃箱付)

6012   6212


 

鉄仮面

6000系

6049   6249

6800系

6801   6901


 

鉄仮面(4灯)

6000系

6048   6248

 

金魚鉢

6500系

6523    6573   6473   6423


 長らく通勤型車両の主力として活躍しており、なおかつ製造時期の長さや様々なバリエーションがあるためタイプごとに細かく製品化され、グリーンマックス・マイクロエース・鉄道コレクションから製品化されている。外観の見た目の話であれば全タイプ揃えることができる。


工作

名古屋鉄道 6000系

■工作記録一覧(クリックでその項目へジャンプできます)

蒲郡/広見線用ワンマン車の動力化と電装化

初期前面車

 私鉄に強いグリーンマックス・マイクロエースの独壇場であった名鉄車両も、鉄道コレクションの参入でさらに活気が増した。

 同じ6000系でも完成品として製品化のなかった、ドア間の側窓が大きな固定窓となっているタイプは鉄道コレクション製品の強みである。その中でも令和年代でも遊べる題材の一つとして、蒲郡線と広見線で活躍する運賃箱付ワンマン車を導入した。せっかくなので他社の製品と水準を合わせるべく、マイクロエースの足回りを入れて動力化・ライト点灯化・床下機器と台車の適正化を図った。材料費は非常に高いが有用なディテールアップである。はずしたボディは他の素材に...

 主な改造はシャーシを入れたときに邪魔になるツメなどの部分を現物合わせで切り落としていくだけ。それでもわずかにシャーシのほうが幅が広く、若干ボディが膨らむが卵型のボディによって目立たなくしてくれる。ライトユニットは前照灯のケースが入るように天井部を開口し、プリズムは鉄道コレクションのものを流用したが、尾灯のみレンズ以外の部分を外すことでライトユニットのクリアランスを確保している。

先頭部カプラーまわりの簡単な精密化

初期前面車

 マイクロエースの製品ではダミーカプラーに実車に近いジャンパ管3本のモールドがある。名鉄のお家芸である増解結をして遊ぶためにここをTNカプラーに交換するが、もったいないのでジャンパ管を移設した。ダミーカプラーからこの部分を切り出してTNカプラーの胴受横のスペースに適宜接着しただけではあるが。なにもないよりはぐっと足回りが引き締まる。

塗装済キットにライトユニットを入れる

鉄仮面

 いわゆる"鉄仮面"と呼ばれる前面デザインが改められた6000系9次車以降のグループは、最初に塗装済キットとして発売されたのち完成品として製品化された。塗装済キットではライトユニット装着が考慮されておらず、ボディ構造が少し違うために完成品からライトユニットを持ってきても入れることができない。ただボディを見たところなんとかなりそうなので加工してみた。

 まずはボディの確認【上掲画像左】。左のキットに対して完成品ではライトユニットを避けるように天面が開口されている。ボディを完成品同様にするのが簡単に見えるが、前面に差し掛かる部分の成形形状も異なるためライトユニットを加工することで解決に向かった。

 つぎにライトユニットの加工【上掲画像中央・右】。ジャマになる部分を切り取るが、今回はライトユニットの上面から側面にかけてL字型にプリズムやライト基板を押さえているフタを外しただけ。画像中央の右が加工前、左が加工後。むき出しになる基盤やプリズムは適当なテープで押さえておいた(画像右の左が加工後)。

 完成。ボディ構造は天面の開口部を除けば、窓ガラスやライトケースの部品を含めてすべて同じなのでライトユニットの加工のみで済む。

 フタの部分を取っ払ってしまうので、プリズムの遮光ができなくなり光漏れが発生する。そこだけなんとかしたほうが良さそう。

前面のディテールアップ①

鉄仮面

 前面が独特な造形をしているのでディテールアップして映える顔にしよう。

 前照灯の光が一旦前面窓パーツを通ることで窓の方へ光が漏れて拡散してしまうため、前面窓パーツの前照灯の周りを黒色油性マジックで塗りつぶした(上掲画像中央)。前面窓パーツは完成品の場合接着されているので割らないように注意したい。ボディ裏から突起を爪楊枝などで優しく押し出そう。前面窓パーツを外したついでに方向幕ステッカーを写真の位置に貼ると、方向幕が窓の裏から掲示されている姿を再現できる。

 またこのシリーズでは、下部のライトケースが一貫して成型色のまま発売されている。実車のライトケースは金属製でシルバーになっているため、ここも銀色油性マジックで塗装した。こちらも接着されていることがあるので取り外しには注意が必要。加えて戻すときには向きに気をつけよう。上から見たときにライトケース前面が枕木方向に水平になっていれば正解だ。

前面のディテールアップ②

TNカプラー

 TNカプラーには並々ならぬ(?)こだわりを持つ当工房。6000系からはまた新たな方法でM式密自連を再現している。

 使用したのは同人サークル"なかざと☆わーくす"様の"M式電気連結器"という3Dプリント品。市販の汎用TNカプラー(推奨品番:0375)に装着でき、従来のTOMIX製パノラマカーのASSY(品番:JC0380)から作成するのに比べ、精密さ向上とコストダウンを図ることが可能になった。またJC0380は近年在庫の不安定さも目立つため、その助けともなるだろう。製品はサークル名で検索すれば詳細を見ることができる。

 装着後は見栄え向上のため、0375では胴受の横についているジャンパ栓の表現を切り落とし、胴受より後ろの部分はグレーが目立つので適宜黒色油性マジックで塗りつぶした。名鉄車両の胴受はもともと小型のため少々オーバースケールではあるが、これをしておくと感覚的に小さめに見せることができた。

 ちなみにマイクロエースの6000系では連結間隔が狭く、手すりと渡り板が干渉する。場合によっては脱線の恐れもあるので再考の余地あり。


あとがき

名鉄6000系

 いもむしやパノラマカーなど、個性的な車両たちが活躍していた名鉄車両においては地味な存在かもしれないが、6000系は確実に今日の名鉄を彩る名車両であることを忘れてはいけない。普通から特急、はたまた高速までどんとこい。縁の下の力持ちこそが本当のヒーローだったり...

 

おわり


名鉄6000系

フォトギャラリー


  

home

注意と免責事項

●このサイトは各種メーカーや、鉄道会社、その他団体と一切の関係はございません。

 掲載の項目について問い合わせなどされることの無きようよろしくお願い致します。

●このサイトのコンテンツなどによって損害等を負った場合でも当方では責任を負いかねます。

 自己責任で楽しい模型ライフを。