京成電鉄 3400形

Keisei Electric Railway - Series"3400"

 初代成田空港アクセス特急"スカイライナー"用車両だったAE形を、置き換えのときに通勤型へと改造した大栄車両の傑作。

 ボディは当時製造が開始されていた完全新造車の3700形と近似する鋼製車体に載せ替えられ特急型車両だった頃の面影はまったく無いが、旧式の分散冷房や抵抗制御に当時の残り香を感じる。ステンレス車両や後から登場した形式が廃車となる中でも、高速域に強い走り装置を備えたこの3400形は優等列車として京急線に乗り入れてくるなど第一線での活躍を続けている。ちなみに大栄車両はこの3400形製造と3500形のリニューアルを担当したのちに解散となったようで、青電から続いた車体新造はこの3400形が最後となった。

京成電鉄 3400形

編成表とお手入れ内容

3401   3402   3403   3404   3405   3406   3407   3408

 模型界において、3400形をはじめとする京成90年代シリーズはグリーンマックスの独擅場である。3700形とそのグループ各車仕様とあわせて製品化が続いており、発売当初はお得意の塗装済みキットだったが、近年の製品では完成品へと変更されたほかライト点灯化やGMコアレス動力へのリニューアルを果たしている。当時のグリーンマックスは阪急通勤車シリーズを皮切りに塗装済みキットへの推移を目指していたようで、特にこの京成シリーズは東急9000系などとともに新基軸を盛り込んだ仕様で発売されていた。結局のところライト点灯化準備のための集電板ステーなどといった新基軸は使われずじまいのまま新床板の完成品シリーズが作られることにはなったが、グリーンマックスが完成品の発売へとシフトする段階で何らかの影響を与えたことは間違いない。

 今回は3400形でずっとやってみたかった床下機器の再構成をしてみた。グリーンマックス製品は今日まで床下機器がないがしろにされがちで、このキットにも近似品が同梱されている。大量生産のしやすさや新規製作のコストを削減する上では非常に有用で、エコノミーキット年代においては認められてきた手法だが、近年の完成品には向かず時代遅れともいわれる。以下で紹介するのは、実車は"スカイライナー"として使用されていたAE形の機器を流用し新造車体を載せた更新車。それなら「床下機器はAE形の製品のものを使えば何の問題もないのでは?」と思い、工作をした記録である。


京成電鉄 3400形

床下機器換装

 ということで早速交換が完了した床板の写真から。床板中央部を大きく切り取り新しい床下機器と交換し再塗装を施した。

 素材はエンドウがまだNゲージを製作していた頃にAE形として成形された一体型床下機器。ただしこのAE形の製品は希少品となっていて、中古市場ではほぼ出会えないため、同社がNゲージから撤退したときに金型を引き継いで生産を続けているグリーンマックスのものを入手した。グリーンマックスはエンドウからシャーシ関連のほとんどを引き継いでおり、のちに"文鎮動力"とよばれる、モーターのまわりにウエイトがぎっしり詰まった動力ユニットもこのエンドウが由来のもの。このAE形の床下機器も台車の部分のみ変えられ、エコノミーキットのうち"京成3500形","阪急通勤車","阪神通勤車"などに引き継がれ、再生産が繰り返され現在も発売されているため比較的容易に入手することができる。

 完成図がこちら。左からM2,M1,Tの三態で、京成3400形の編成は浦賀・羽田空港方から"M2c-M1-T-M2-M1-T-M1-M2c"なので床下機器は大まかにこの3種類でまとめることができる。配管はオーバースケール感も否めないが、いまでもハッキリしたモールドを維持しており見た目に楽しいし、横から見たときに奥行きのある床下機器が見られるのもキット素組みでは出せないすばらしいディテールである。


  

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