JR113系 東海道線

JR East & JR Central -  Series"113-2000" Tokaido Line type.

公開:2022/11/21

 言わずと知れた東海道本線の元トップランナー。
  先代の"湘南電車"こと80系に続く、"湘南色"と呼ばれるキャッチーなオレンジと緑のみかん色(かぼちゃ色)で印象深く覚えている人も多いと思う。また住んでいた地域によってはマリンブルーとアイボリーの"横須賀色(スカ色)"のほうが印象に残っている人もいるかも?神奈川県出身の私としては、塗色の名前とはいえ県内の地名である湘南や横須賀が全国で活躍しているのがとても嬉しい。
 東海道線では1960年代から2006年まで40年以上にわたって第一線で活躍。近郊型電車のベストセラーとして相当な両数が製造され、特に東海道本線の東京から山陽本線の下関までにおいては全区間で運用されていたことが特筆に値する。また令和4年現在も、山陽本線岡山地区では残存し活躍している。113系活躍当時に"東京口"とされ、一体となった運用が組まれていた東海道本線東京~静岡間と伊東線・伊豆急行線熱海~伊豆急下田間は特に多くの車両が在籍し、製造された時期や来歴からとても多くのバリエーションを目にすることができた。

JR113系 東海道線

保有編成表

◀東京

熱海▶

 16番におけるプラ量産品としては比較的初期からTOMIXが発売している。4両編成から組成できる編成の柔軟さと、運用区間の広さから遊びやすくもあり、そもそも人気の高い車両であることの現れだろう。

 

 TOMIXのこのゲージは製品によってMADE IN KOREA,MADE IN CHINA,MADE IN JAPANの3か国が混ざっておりおもしろい。特に初期の金色や水色のパッケージだった頃は多くが韓国産。この記事執筆のために調べていたところ、世界各国の鉄道模型メーカーに向けてプラやブラスの製品を生産している韓国の鉄道模型メーカーがあるようで、日本の老舗メーカーと同じくらい歴史があるらしい。数社ある中の1社"アジン精工"の年表には"1997年3月に日本向けスケールモデルを輸出開始(意訳)"とあり、TOMIXの製品はおそらくこれのことではないかと思う。以後TOMIXではパッケージの変更があり現行製品はグレーの紙箱となったが、3か国ハイブリット生産は変わっていない様子。

 

 113系は再生産ごとに品番が変わっておりいつの世代のロットかが判別しやすい。工房で保有している編成のうち基本編成(11両)の両先頭車とモハユニットは最初期のもの(HO-003~HO-005)。サハやサロは以降のロットがまぜこぜに組み入れられている。どれもヤフオクや中古模型店で断片的に手に入れたものなので統一性はない。付属編成はHO-003を元に成型色違いの付録を同梱し、JR東海保有車に見られたグレー床下の車両が再現できるという触れ込みのHO-910という品番。限定品のようで、当時の情報があまり無く詳細不明。


工作

JR113系 東海道線

■工作記録一覧(クリックでその項目へジャンプできます)

基本の工作

JR113系 東海道線

 新品状態を起こす場合、まずすべきは手すりの取り付けから。初期の製品は前面窓下のみ別パーツだが、以降の再生産ロットでは前面にある手すりはすべて別となり取り付けが必要になった。面倒な工程ではあるがしないことには見栄えが損なわれてしまうので丁寧にやっていこう。

 次には表記類のインレタだが、Nゲージほどでないとはいえ非常に細かい文字があるため、車番以外は自信がなければ無理して転写する必要はないかもしれない。私は妻面の検査表記はあきらめたが、側面の表記はほぼ全て転写した。製品名が"国鉄113-2000系近郊電車"となっているように、収録されている所属表記が一部古く、JRマークはそもそも入っていない。そのため所属表記は基本編成を[東コツ(国府津電車区。時代設定的には本来は横コツ)]に、付属編成はそもそも[静シス(静岡車両区)]が収録されていないため近い[海カキ(大垣車両区)]を選択している。JRマークはTOMIXの別売り品【品番:0818(オレンジ)・0823(ホワイト)】を使用した。過去に中古模型店で購入した商品だが、製品は言わずもがな廃盤となっている。ちょうど持っていてよかった。

 方向幕は外貼りのステッカー表現。近年のロットでは内貼り+プラパーツとなっているようだ。製品付属のステッカーは質がよろしくないのでPCでそれっぽいものを作成してラベル用紙に印刷し貼付した。ついでに前面用の編成札、列番表示機、側面の号車札も同じく作成している。このあたりはNゲージよろしくTOMIXでは付属しないところなので、足してあげるとぐっと映える。おそらく社外品も多く出ているので困ったときは探してみるといいかもしれない。

前照灯のLED化

ディテールアップ

 前照灯と方向幕灯が電球なので交換している。現行の分売パーツのライトユニットも電球のままだったので、ここは最近のロットも変わっていないのだろうか。逆に尾灯は初期製品からLEDなので、基盤はそのまま活かして抵抗内蔵砲弾型LEDを組み込んでいる。工作途中の写真はないが(すいません)、特に初期製品の基盤からのびている集電板が折れやすいので工作中に取ってしまわないように注意。

座席表現のお手軽精密化

ディテールアップ

 TOMIX113系は室内が一体のクリーム色のパーツで整形されており、すこし悪目立ちしてしまうことがあるので隠してみた。

 塗装するのが主流だと思うが、1両1両が大きい16番で13両(グリーン車除く)・・・と考えていたら嫌になってきたので、手軽な方法としてマスキングテープによるシートモケット表現とした。調達したのはダイソー商品の"Beacon Blue"という色のテープ。最近はブームに乗って様々な色のマスキングテープが100円ショップなどで買えるようになったので、合いそうな色を実際に店舗で商品を手にとって購入するとよい。

 作例では切り出すテープの長さはボックスシート、ロングシートともに1cmとした。方眼付きカッターマットに伸ばして仮置きし、方眼に合わせて1cmごとにカッターで切れ込みを入れていくと楽に同じ長さのものが量産できる。切れ込みを入れたらカッターマットから剥がし、座席部分に貼付。切り出す枚数は中間車で1両あたり36枚(13両では450枚以上)。数字では多く見えるが自然と車内の塗り分けもできメリットも大きい。

 気に入らなければ戻したり、他の色に変えたりも簡単にできるので、気負いなくできるお手軽工作として今後も活用していきたいしみんなもやってみてほしい。

 参考に貼付後の見え方の比較を。左は貼付していない車両、中央は自然光に照らした貼付済車両、右はそれに室内灯を組込んだ様子。

 全体に白飛びしていた車内にメリハリがついたように見える。

さあ、15両編成にしよう!

JR113系 東海道線

 工作とかではないが「15両編成はすばらしいよ」という項目。

 国府津電車区K52編成はちまちまと集めながら、2022年初頭には整備が完了しロールアウトしていた。それに加えて2022年10月に4両編成を購入。はやる気持ちですぐに整備し、静岡車両区T1編成として同年11月にデビューという流れとなった。

 幼少期に見ていたし、これのボックスシートに座ってお菓子を食べながら静岡まで乗っていった記憶もある。これぞ私の東海道線だし113系。レンタルレイアウト店で15両編成が動きだしたときは感動し、時間を忘れてしばらく走り去る姿を眺めていた。みんなも思い出の車両はぜひ自分のよく知る姿で再現し走らせてみてほしい。ここまで心を動かされた瞬間は今までに経験したことがない。これからも大切にしていこうと思った。


編成細見

国府津電車区 K52編成

◀東京 熱海▶

 基本編成となる11両編成。

 TOMIX製品は113系の中でもシートピッチ拡大などの改良が加えられた2000番台を製品化しており、組成すると整った編成となる。ただ今回モデルとした2000年代前半の国府津電車区では、生え抜きの0番台や横須賀線用だった1500番台などが混ぜ合わされていて、2000番台だけで組成された整調編成は1編成だけだったらしい。ここではその唯一の[K52]編成をこしらえている。ただ車番はサハ113-2010とモハ113-2105ユニットを除き大半が製品のインレタからそのまま選択することができ、意外と作成は容易。

 大きなJRロゴがJR東日本保有編成のトレードマーク。この113系が活躍していた当時の私は藤沢や戸塚近辺に住んでいたため、これでこそ馴染みのある格好だ。なお後述のT1編成では東京方に貫通幌を備えるが、JR東日本ではこのときすでに増結時に貫通路は使用していなかったのでK52編成には装着しない。

編成細見

静岡車両区 T1編成

◀東京 熱海▶

 増結編成となる4両編成。

 東京~静岡間が一体で運用されていた当時の東海道線では、JR東海エリアに乗り入れるJR東日本編成と走行料金を調整するためにJR東海静岡車両区に所属しながらJR東日本区間で増結用として運用される編成が存在した。静岡を早朝に出ると小田原や国府津で基本編成に増結し、そのまま夜まで15両編成として運用された。東京~小田原間は保安装置が異なるため車両は専用に改造され、[T編成]として在籍。また車両の番台も区別のため元番に600が足され2600(2700)番台とされた。

 通常は基本セットを買うことで4両編成とすることができるが、今回は前述の通り基本セットにプラスして当時のJR東海所有車両に見られたグレー塗りの足回りが付録として同梱されているので、JR東海所属編成をモデルにしている。通常品からJR東海車を作る場合は足回りの塗装が必要なので、この製品が手元になければ普通に国府津電車区所属の編成をモデルにしたほうが手短。 なお国府津のK編成よろしく静岡車両区にも比較的ベテランの0番台などが多く、2000番台(2600(2700)番台)だけで組成されたT編成は2本だけ。加えて作成するにあたっては改番されているため製品のインレタから並べ替えが必要。

 JR東海所属編成は先頭車所属表記そばに書かれた小さなオレンジJRロゴがポイント。活躍していた当時はまだ幼少期で、大きなJRロゴがないことを不思議に思っていた記憶がある。また晩年までシルバーシートマークが使われていたことが特筆できる。各車浜松寄りに設置されていた。


おまけ-車両を効率的に収納する

JR113系 東海道線


 

 16番は特に大きくて日本の家では走らせることができないのでたいていレンタルレイアウトに持ち出すが、どうしても収納や持ち運びに困る。しかしTOMIX純正の箱では特にかさばるし、グリーン車などは単品ケースとなるためすごい量になる。そこで今回採用した方法を簡単に記録。

 使用したのは100円ショップで売っているA4サイズ用のプラスチック書類ケース。ケースの内側にはすきま風防止テープ(両面テープ付きウレタンスポンジ)を適宜貼り付け、そこにエコーモデルの車両保護紙で巻いた車両を収める。これで20m~21m級車両が4両まで入れることができる。113系の場合は基本編成が4+4+3の3ケース、付属編成が1ケースの計4ケースにまとめられる。これでカバンなどにもスッキリ入り持ち運びも簡単になるし、保管のときも棚や入れ物に並べて収納することができるようになる。

 この内容をこのページのおまけとしたのは、発案が私自身でなく、私を16番に引き込んだ会社の元同僚から教えてもらった方法であることから。この場を借りて彼には御礼申し上げたい。持ち込んだレンタルレイアウト店にも良アイデアとして取り上げられSNSに掲載していただいた。


JR113系 東海道線

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