クモハ40系(国鉄)

Japanese National Railway - Series"40"

 省電初の20m車体で都心部を中心に活躍した旧型国電のひとつ。両運転台をもち単行から連結運転までお手のもの。

 片運転台版のクモハ41・クハ55系も発売されており、連結運転をしていた往年の片町線や青梅線など都市部の通勤電車も再現することができるので初心者から玄人まで楽しめる車両だ。

 比較的安価なプラ完成品のKATO製16番車両として長く発売されているこの形式。登場時は台車にモーターがマウントされたタイプだったが、のちに床下にモーターが移動しシャフトドライブへと改良されている。手すりのほか、避雷器と前面屋根上ステップがユーザー取り付けとなっていて走らせる前にはひと手間必要だが、するとしないとでは大きく違う。16番とはいえど小さなパーツたちなので慎重に取り付けたほうがよい(私はいくつか飛ばした)。

 旧型国電は様々な来歴を経てくるため一両ごとに異なる特徴があり、模型化するにはプロトタイプの選定がとても難しいと聞いたことがある。このクモハ40系も活躍していた地域などによって細かな形態差が生まれていたようだ。KATOのこのモデルにおいては特定のプロトタイプを無くし中間点に着地するように作られていて、どの車両を再現しても角が立たないようにしているらしい。なので雰囲気を楽しむ人には買ってきたままでいいし、こだわる人には手の加えようがたっぷりある。そんな楽しい車両なのだ。

 うちにやってきたクモハ40系は会社の後輩からの譲渡品で、手すりパーツが未取り付けだが欠品という状態だった。譲渡当時はAssyパーツのメーカー在庫もなく、同じくKATOから発売されているクモハ12系のグレードアップパーツセットを買って代用しようとしたが寸法が全く異なり失敗。その後正規のAssyパーツは手に入ったので問題は解決したが、せっかくならあぶれたグレードアップパーツセットから使えるものを使ってディテールアップしようということになった。ここではそのポイントをまとめている。


クモハ40系(国鉄)

お手入れ

 ここからはディテールアップのおはなし。プロトタイプは大船工場で工員輸送として活躍していた時代のクモハ40071。

 外装はパーツ取り付け以外大きく手を加えるポイントはないので、クモハ12系グレードアップパーツセットからジャンパ栓を拝借しパンタ側前面に取り付けた。もともとフタのモールドがあるのでそれをうすく削り、ピンバイスで開口した後に差し込んで接着しただけ。ジャンパ栓が軟質プラのような素材で接着剤と相性が悪く意外と難航した。前面のカプラーは少し長めに取られているので、いちおう市販のレール以上の急カーブでなければだいたい曲がることができそうだが実験はしていない。また旧型国電の連結器は密着面上下の湾曲がないものを使用しているため、デフォルトはKATOカプラーだが上下の膨らんでいる部分を切り取った。作用管などのモールドが半分にされてしまったが、深追いする部分でもないので簡単にまとめておいた。またパンタ無し側の連結器胴受をグレードアップパーツセットから拝借し保安装置車上子付きにした。ここの形状はクモハ12系固有のものなのであくまでタイプだが、足元のアクセントとして付けている。

 左は先述の後輩が保有するクモハ40系。二段窓だったドア窓の桟をカットし晩年見られたドア交換後の姿を再現。製品収録インレタの車番にはドア交換をした車両も多いためこの改造も効果的である。ただしそれ以外は手を加えていないという。

 うちのクモハ40系は表記類で差をつけた。晩年の大船工場工員輸送車であるクモハ40071は保安装置の追加が実施され、それにともない保安表記の位置が変わっているのでそれに対応させた。ここもクモハ12系グレードアップパーツセット収録のインレタを用い実車の写真を確認しながら転写している。元の表記はユニクリーナーを染み込ませたつまようじで落とせる。コーティングも落ちてしまうが最後にクリアを吹けば目立たなくなるので問題ない。保安表記などは同じ車両でも資料により位置が違うことがあるので調査しながら実行するとよい。ほかにもドア以外で実車通りに近づける改造をしている。ワイパーも実車の人生(車生?)の中で窓下部に移設されているので窓を切り取り逆に接着して再現。運番表示幕もプラ板を利用し窓の内側に持ってきて実感的にした。

 最後にボディを光沢、屋根をつや消しクリアーで吹きプラの質感を無くした。旧型国電は問答無用で光沢ツヤツヤにできるので楽しい。

 最後に室内灯を車内に組み込んだ様子を。

 あまっていたNゲージ用の電球室内灯を集電板を工夫して差し込んだ。パワーパックの出力を高くしないと全然見えないがまあいいでしょう。ぼわっと光っているくらいがちょうどいいのだ。よく見えないかもしれないが車内の座席には青色を差している。大船工場時代はこれに加えて灰皿も車内にいくつも立っていたらしいが、営業運転時代としても遊びたいので設置は見送った。工員が満載になると車内はモクモクだったのだとか。いい時代である。大船工場で活躍していた頃にはクモハ40系がもう1両在籍していて、2両で活躍していたらしい。余裕があればうちにももう1両入れてもおもしろそうだ。

クモハ40系(国鉄)

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