名古屋鉄道 7000系

Nagoya Railroad - Series"7000"

 “パノラマカー”で有名な今日の名鉄を築いた車両。
 イタリアの高速列車をモデルに、運転台より客室が前にあるという前代未聞のスタイルでデビュー。開発のコンセプトは"車内の乗客が前を見ることができる=未来が見える電車"。マイカー主体へと変革していく時代の流れの中で、魅力を失わないようにと考えられたそう。この展望席スタイルは小田急ロマンスカーが有名だが、この7000系のほうが先発。ただ構想自体は日本車輌や小田急の中でかなり昔からあったようである。当時の名鉄の通勤電車はこのスタイルが標準で、流線型で特急型のスタイルだが当時の名鉄としてはこれも通勤形に類した。車内は転換クロスシートとロングシートが混在するセミクロス式で、ドア付近にはつり革も備えた。その後座席指定列車用とされた編成もあったが、それも一部にとどまり大半は引退まで通勤電車としてその職務を全うした。
 ちなみに“名鉄スカーレット”と呼ばれる赤一色の塗装となったのもこの7000系から。のちに在来車も塗り替えられるなど、名鉄のイメージカラーとして今日まで使われ続けている。座席指定列車用へとされた編成には識別のために白帯が巻かれ、“白帯車(はくたいしゃ)”としてその優等列車然とした出で立ちで人気を博した。
 模型においてはTOMIXがわりと早い時期からロマンスカーなどとともに当時の主力だった6両編成(P6)を製品化していた。のちにHG仕様へとフルリニューアルを果たし、製造次数による仕様の違いが再現されたことで、P6に限定されない現役当時のさまざまな姿を再現できるようになった。また最近では最終増備グループだった両開き扉の中間車も製品化され、さらにあそべる幅が広がった。
 

名古屋鉄道 7000系

編成表とお手入れ内容

7011   7162   7061   7012

 ここで紹介するのは引退直前のイベントで白帯が復元された“復活白帯車(ふっかつはくたいしゃ)”の7011編成。2次車の4両編成で、他車との連結などができるM式密自連を装備したグループ。フロントのにぎやかなジャンパ管がアクセント。

 普通から特急までこなすオールラウンダーだった7000系。単独運用からさまざまな系列との併結までお手の物で、7000系同士や7300系、1000系パノラマスーパー、果ては数奇な人生を辿った1380系などとも手を組んだことがあったようだ。名鉄模型界隈で知らない人はいないTNカプラーJC0380はここがもともとの居城で、低い電連もここではしっくりくる。

 

 上段は先頭部のようす。さすがのHGか運転台にはパネル類とハンドルと座席がモールドされている。ここでは中京競馬場にて保存されている実車や雑誌の写真などと見比べながらマーカーで塗った。また床板と一体成型になっている展望席最前部の冷房装置カバーと、塗り分けられていない展望席上部の前照灯のフチを銀色に。天から仰ぎ見ることが多い鉄道模型では効果的なお手入れだ。

 またこの形式の表情の決め手ともなるのが前面の逆富士型標識板。当初は板式のものが設置されていたが、一部の編成はのちに方向幕式へと改造された。上写真で紹介しているのはすべて方向幕式にされた編成で、そのうちの7011編成は左写真のように上半分が緑色のダイヤモンド型とされた。従来の板式も装着できるように金具などを残したまま幕式に改造されている。左写真はどちらも7011編成だが、TOMIXのデフォルトだと行先板をセットする金具が再現されていないので、グリーンマックスのステッカーにおまけとして収録されているものを貼付した。方向幕は中央の写真のようにそのグリーンマックスのステッカーの上から貼った。当初は英字入りの中部国際空港行きにしたが、これが完全な勘違い。7011編成は引退まで英字がなかった旧幕を使っていたのだった。中部国際空港行きなどには行先板を使用していたらしい。


ミュージックホーン鳴動装置

名古屋鉄道 7000系


 この名鉄7000系で一番やってみたかったのが、ミュージックホーン鳴動装置。まずは何も考えずに上2つの動画を見ていただきたい。

 装置の構造はいたって簡単で、車内に秋葉原で適当に買ってきた安いBluetoothのヘッドセットを分解して組込んだだけ。客室ドア間の座席パーツを取り払い、分解して取り出したリチウムイオンバッテリーと基盤を配置し、スピーカーはガラスパーツをはずした妻面に向けて出した。あとはミュージックプレーヤーなどと同期させてミュージックホーンの音源を再生するだけという簡素な装置。組み込んだ7011号車の写真を下に示す。車内にギラッと光る長方形の箱がリチウムイオンバッテリーで、基盤はその下に入っている。

 この装置といえば、某メーカーが室内灯取り付け部にはめ込むサウンドユニットを発売している。装置の仕組み自体はほとんど変わりないので、あとは見た目の問題と、座席パーツを外さないと入れにくい(入れられない)という制約を克服すればさらに良い装置となるが、某メーカーの製品が1万円近くするのに対してこちらは総工費1500円ほどなので、改良する意欲は残念ながらない。

ミュージックホーン鳴動装置

おまけ


 最後に名鉄1700系に搭載した様子をご紹介。

 完全に独立しているので入れることができるスペースさえあれば何にでも入れることができる。車輌に限らず駅などのストラクチャーなどに仕込んでも楽しそう。またBluetooth対応機器なら何でもいいので、スマートフォンやミュージックプレーヤーなどを使って走行音を流すだけでなく車内放送やさらには音楽まで?いくらでもやれることはありそうだ。


名古屋鉄道7000系

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