1985年の大洗鹿島線開業時から利用していた6000形の置き換え用として、2016年から導入されている新型車両。

 6000形も製造していた新潟トランシス(旧新潟鐵工所)製で、すでにデビューしていた関東鉄道5000形気動車がベースに改良が加わったもの。それまでの2扉・セミクロスシート・トイレ付きに対し、両開き扉付き3扉・オールロングシート・トイレなしと通勤型の毛色が強くなった。乗車率の高い大洗鹿島線の現状を鑑みてのことのようだ。もともと規格の高い鉄建公団線のお下がりで、地元行政の手入れが行き届いた新線なこともありトイレなどもほぼ各駅に整備されているし、全線乗り通しても90分かからないところからすればそれよりも混雑率を減らして増結する車両数を減らせるほうが望ましいのであろう。2020年2月時点で6両が活躍しているが、乗車率の高い朝ラッシュや大洗~水戸間のシャトル運用を中心に大洗鹿島線の全区間で活躍している。

 スケールモデルではしばらく音沙汰がなく、プラ量産品での発売は2019年の話。ベースとなった関東鉄道5000形の改良版として、逆にこの8000形がベースとなった5020形と同時に発売される運びとなった。ボディの大半は同じで、中央にある両開き扉の窓寸のみ違うというポイントも余すところなくしっかり再現してくるのがすばらしい。単行気動車シリーズはベースとなる製品がないとプラ量産品ではあとが続かない事が多いので、ディスプレイモデルと割り切って安価で生産される鉄道コレクションには適した車両に思う。

8001

8002

8003

8004(強化スカート)


鹿島臨海鉄道8000形

お手入れ記

 この製品は付属のステッカーも見どころのひとつ。実車の行先表示器ではなぜか5文字以上でスクロールするようになり、大洗鹿島線においては[鹿島神宮行き]と[新鉾田行き]がそれにあたる。「行き」を切ることで全行先をスクロールなしにした(「水海道乗換~」は別として)関東鉄道に対して、しっかりと全て表示する鹿島臨海鉄道はさすがといったところだが、まさか鉄コレのステッカーがそれに対応するとは思ってなかった。自分好みの場所で切った貼ったができるので個性の光る車両ができる。

 そしてこの車両最大のお手入れがライトの点灯化。意外とカンタンにできる。

 素材として拝借したのはグリーンマックス製品である小田急電鉄3000系のライトユニット。3000系はこの8000形ともども前面窓上部にヘッドライトとテールライトが収められているデザインの車両である。今回の作例では2020年始に発売された前面の行先方向幕も点灯するようになったロットの分売パーツを用意しているが、旧ロットのものでもサイズなどは同じはずなので加工内容も同様ですむはずだ。分売パーツとはいえそこそこ値が張るので、旧ロットの小田急3000系製品を持っていてライトユニットだけ新ロットに交換したらそのついでにこの工作をするとエコ。

ボディ加工前

ボディ加工後


ライトユニットの加工

動力車シャーシの加工


 幅はボディいっぱいいっぱいなので扉窓部分から先の窓パーツを切り落としてグリーンマックスEキット用の塩ビ板を裏から貼り付け、上下位置調整のためにライトユニットのケーシングを削る必要がある。3000系に比べて屋根肩が丸いため、そこを重点的に削ぎ落とすことになる。ライトユニットへの通電は車輪から行い、動力車は集電バネを伸ばして鉄コレ動力の集電板へ。ライトケースを避けるために動力車はシャーシの加工が必須。付随車はコアレス世代グリーンマックス製品の床板の分売を調達し装着した。鉄コレ製品は形式によってコアレス世代グリーンマックスの動力や床板が小加工で入るようになっていて、この8000形も一緒だろと思い何も考えずに買ってきたら入らない構造の車両だった。結果としてプラスワンで加工してクロスポイント製の"コアレス動力ユニット取付アダプター"を用いて床板の固定をすることになった。

 ライトを装着してから思い出したことといえば大洗鹿島線は日中前照灯や尾灯を点灯しないということ。まあでもKATO製品の6000形も強制点灯だしまあいいや、ということに。ここでは"量産品と差別化をはかって自分だけの鉄道模型を楽しむ..."これがそもそものコンセプトなのでOK!

 あとはTNカプラー装着のために銀河モデル製の3Dスカートパーツに交換。TNカプラーもTOMIX製品として出ているJR西日本キハ120系用の"JC6364"を装着することで台車とのクリアランスも解決し、無事に増結運転ができるようになった。ライトの話に戻れば、集電の関係上スイッチがないので中間運転台も見事に明るく光るが、これもKATO製品の6000形が...という話に落ち着くのでOK!

 今後は大洗鹿島線の主力車両となるであろう8000形。単行から遊ぶことができ、JRの車両とも並べてたのしいこの形式。

 加工がお手軽なので、みんなの個性が光る車両にするのがいいと思う。もちろん加工は自己責任の範囲内で。

 

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