名古屋鉄道 2000系

Nagoya Railroad - Series"2000"

 2005年の中部国際空港(セントレア)開港にあわせて登場した、空港アクセス向け特急型車両。愛称は"ミュースカイ"。

 塗装は空港アクセス特急として空や海をイメージした白地に青。前面の銀色部分はプラグドアとなっており開くことができ、2編成での増結運転時は貫通ホロを介して通りぬけができる。ちなみに同時にデビューした一般車併結の2200系と特別車の構造は共通だが、前面を貫通扉として使えるのは2000系のみ。"パノラマスーパー"1000系列以来の愛称のある特急型車両で、貫通構造とするためパノラマ先頭車は作られなかったものの、前面展望映像が走行中に客室妻部のLCDモニターに流れるようになっていて、遊びゴコロも忘れていない。

 性能面では車体傾斜装置を本格採用し、常滑・空港線内の曲線通過速度が向上。名鉄名古屋と中部国際空港を約30分での走破を達成している。登場時は3両編成だったが、想定以上の人気と愛知万博の開催なども相まって2編成6両での増結運転をしても足りなくなり、翌年には中間車を1両増車した4両編成に。増備も合わせて行われ、2023年現在では4両編成12本が在籍。名鉄のフラッグシップとして活躍している。

 模型ではグリーンマックスが日車夢工房の企画協力の下初回品を発売。特別編集DVDの入ったものや、側面に付くエンブレムのレプリカを同梱した日車夢工房限定品も合わせて発売されていたよう。その後グリーンマックスブランドに統一され、4連化や荷物室の増減、4連で新造された編成など実車の変化やグリーンマックスの動力リニューアルに合わせて細かく製品化が続いている。基本の設計自体は製品化当初から変わりないが、最初期の製品では実車同様の3両編成だったり、増結運転用の連結部の構造が違っていたり、前照灯が黄色LEDだったりしていたようで多少の差異がある。再現したい時代に合わせて集めよう。

 

 ボディが白色なので、2200系などと同様に表記類をめんどくさがらずに配してあげるとぐっと映える。近年の製品はそこら辺が印刷済になったので非常にありがたいが、車番まで印刷済になったのは賛否が分かれるところか。複数購入して遊ぶことが多い名鉄車両においては、車番は別付けにしておいたほうが適しているような気がするが、あくまで工作派の意見なので全体のニーズは完成品に傾いているのかもしれない。

名古屋鉄道2000系

保有編成表

2002   2052   2152   2102

2011   2061   2161   2111

2012   2062   2162   2112

2007   2057   2157   2107

 



お手入れ

名古屋鉄道 2000系

■工作記録一覧(クリックでその項目へジャンプできます)

■2000系をTNカプラーで連結させたい

 他車と同様に取扱いやすさと見栄えの良いTNカプラーにしたいところで、当初は素直にシャーシにTNカプラーを設置していた。

 TNカプラー受けに設置しているスカートの支持部を切り落とし、そこに通常の密自連TNカプラー(品番:0375)をはめた。スカートはTNカプラーと干渉していない部分のみ残してゴム系接着剤で接着。定番の工作である。ここでこの密自連TNカプラーを名鉄用の電連付き(品番:JC0380)の連結器部分と交換するのがさらに定番の工作だが、電連の造形があまり好きではないのでダミーカプラーから電連部分を切り出してカプラー下部に取り付けた。

 しかし見た目がいまいちで、他車と連結したときも電連が離れてしまうので「再考の余地あり」となり改造は1編成だけにとどまった。

 先のボディマウントTNカプラーでの結果を受け、以降は台車マウントTNカプラーをタヴァサホビーハウスの部材を使用して床板にビス止めする手法に変更した。使用したのは密自連TNカプラー(品番:0393)とタヴァサの"TNカプラー用ポケット(短柄)"(品番:PX-006S)。その下にもともとの製品のダミーカプラーから胴受と電連部分の一体成型パーツを加工して接着した。実車に比べるとクリアランスの都合で連結器全体が前に飛び出てしまっているが、それなりな見栄えと実用性を兼ね備えている。スカートはカプラーポケットのクリアランスを考慮して、中央部を台形に現物合わせで切り取ったほうがよい(未加工だと連結器がスカートパーツの厚みの分下がってしまう)。

 現在この工法を名鉄の他系列の工作でも採用しており、うちでは標準の加工のひとつ。

 

■貫通路開扉パーツであそぼう

 2021年6月頃にグリーンマックスから発売された製品では、2編成併結したときに開扉する前面の貫通扉を再現したパーツが付属された。せっかくなら古い製品でもパーツを装着して遊びたいので、バルクパーツを購入してみた。

 

 

写真右が購入したパーツ。

持ち帰ってから、そういえば前面ガラスパーツを昔買ったなと思い出し部品箱から掘り起こした。説明書通りでは貫通路開扉パーツは両面テープで貼付するよう指示されているが、それでは煩雑なので前面ごと交換して開扉⇔閉扉を自在にできるようにしてしまおうということにした。

 

 

工作に難点はなく、ただ取り付けを両面テープでなくゴム系接着剤にするだけ。複数作って併結時を再現できるようになった。

 

 

しかし、ここで重大な欠陥が発生。

上掲している交換済のTNカプラーでは連結間隔が狭く、曲線に入ると脱線してしまう直線番長となってしまったのだ...

 

 

ということで貫通路開扉パーツを使用するときは純正ドローバーを使うことに。まあこれでメーカー標準の組み合わせなので仕方ない。

 

ただしこれではドローバーを装着した車両が増結専用車になってしまうので、連結方法を再考することとなったのだった...

(次項につづく)

■連結方式の再考とシャーシ交換

 上掲の通り、貫通路開扉パーツを装着したところTNカプラーが使えなくなりドローバーに戻すという事態となったが、この系列は特に近年になって他系列と併結した特別運転も増えてきた。ぜひそちらも再現して走行を楽しみたいところだが、他車はTNカプラーを装着済のため併結相手によってカプラーを交換しなければいけなくなってしまった。

 ということで貫通路開扉パーツに引き続き、効率的に交換ができるように改造した。

 

 

改造に当たっては先頭車のシャーシを近年の仕様(いわゆるコアレス動力世代)のものに交換した。新仕様のシャーシは車端部が様々な製品に対応できるよう取外し交換が可能となっている。

そこで、この車端部パーツにスカートとカプラーを固定したものを複数製作し、必要に応じて交換・装着するだけに加工。これによりワンタッチで換装できるようになった。

 

なおシャーシを交換した影響で、既存の車両と床下機器の配色が合わなくなってしまったので再塗装した。

今回はクレオスのマホガニーサーフェイサーを初採用。発色は濃い茶色で、ベースが暗色のプラモや模型などの下地塗装で主に使われるようだが、コレを吹くだけでウェザリング加工風の色味を得ることができる。

 

もともとの製品は新製時をイメージしたライトグレーだったが、近頃の製品は配色のバランスからダークグレーとなり、バルクパーツも最近は主にダークグレーしか販売されていない。本当は全車両まるごと交換してしまうのが手っ取り早いのだが予算的によろしくないので見送った。

■エヴァンゲリオン特別仕様ミュースカイ-エヴァンゲリオン中京圏プロジェクト 

 2020年に行われた『エヴァンゲリオン中京圏プロジェクト ~名古屋・ささしまライブから世界へ発信~ 』に合わせ、エヴァンゲリオン特別仕様ミュースカイが2020年1月頃から3月頃まで運転されていた。作中に登場するエヴァンゲリオン初号機をモチーフとした紫色と緑色のデザインで、インパクト十分に各地を駆け抜けた。2000系を紹介する上では外せないイベントだったと思うのでここで紹介する。

 ちなみに模型でも2020年夏頃にグリーンマックスから発売された。実車の活躍から製品化→発売までのスピードがとても早かったが、高品位印刷によりデザインが精密に再現されている。鉄道模型としてだけでなくエヴァグッズとしても売り出されるなど、通常にはない販路も展開されていた。

 

 

側面デザイン・先頭車

 

エヴァ初号機の色を忠実に再現している。

先頭部ドア上のセントレアロゴが残されてうまく初号機デザインと調和できていてすばらしい。また初号機を表す大きな"01"の文字を見て、2200系旧塗装の特別車に大きく書かれていた号車番号の表示を思い出したのは私だけでないはず。

 

 

側面デザイン・中間車

 

先頭車とはデザインが多少変えられている。

普段は2000系のエンブレムが描かれている窓のない広い側面にはこのプロジェクトのロゴがデザインされていた。

先頭車もそうだが、ドア近くにあるフタなどがあえて黒色にされていてロボットや機械の感じを増している。

 

 

車内

 

車内は荷棚下と妻面鴨居に外装と同系デザインのステッカーが貼り付けられていた。この月のフリーペーパー"Wind"が同じ紫色系の表紙となっており、きっと偶然ではあるがカラーコーディネートがなされていた。

 

 

グリーンマックス エヴァンゲリオン特別仕様ミュースカイ

 

前面の貫通扉から側面に至るまで、精密印刷によってきれいに再現されている。

実車が極めて短期間のキャンペーンだっただけに製品には【限定品】と銘打たれており、特に今後再生産される可能性は低そう。今後なおのこと手に入れるのは難しくなりそうだが、グリーンマックスでも特に仕上がりの良い製品のため購入の価値はある。

 

 

エヴァデザイン貫通路開扉パーツ

 

上掲した貫通路開扉パーツが登場したのはこのエヴァミュースカイの後の製品のため、このデザインの貫通路開扉パーツはないので自作した。

製品の前面パーツをスキャナーでスキャンし、サイズ調整の上で転写シートに印刷。それを通常デザインの貫通路開扉パーツの上に貼付して再現。製品の印刷に比べれば粗めだが、連結面に挟まる分には特に問題ない。

実際にこのデザインの当時も運用は通常通りであったため、他車との併結は普通に行われていた。

 

 

おまけ

 

サイドビューGIF画像(常滑駅ホームで撮影)

 

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