名古屋鉄道 4000系

Nagoya Railroad - Series"4000"

 2008年登場の新性能通勤型電車で、瀬戸線に投入され在来車を置き換えた。

 搭載機器や外観などは概ね名古屋本線系統用の3300系と同じだが、瀬戸線用のため使用しない機能はバッサリ切り捨てられている。また名鉄では初めて前頭部までステンレス鋼製とされ、前面デザインもブラックを基調としたものに変更された。コストカットはされているが最新技術ももちろん取り入れられており、曲線の多い瀬戸線の特性を考慮したボルスタ付きの新台車を採用。また各扉上には初めてLCDモニターを設置した。なおこの台車やモニターは以降の本線用3300系と3150系にも標準装備となった。

 名鉄電車といえばグリーンマックス。だがこの4000系は登場から10年以上経った2021年現在も製品化はされていない。唯一Bトレインショーティで製品化されているので、似たボディの名鉄3300系を用いて前面だけ交換するのが主流の工作。今回ここに掲載しているのも同様の内容だ。

名古屋鉄道 4000系

編成表

4007   4057   4157   4107


名古屋鉄道 4000系

製作記

■下準備

 上の写真が今回の工作のために用意した車両たち。

 名鉄3300系4次車の製品を基本に、Bトレインショーティの4000系2両、3300系中間車2両(パンタ有無各1両)、ボディ形状が共通の5000系先頭車1両、あとはバルクパーツの屋根板を用意。Bトレインショーティに関しては購入から数年が経過しており、ずっと寝かせていた。別に単品で車両を用意したのはこの4000系の特徴にあり、先頭車から1両おきにパンタグラフを備える3300系に対し4000系はすべての中間車にパンタグラフを備えるために組み替えが発生するためだ。以下に組み替え図を示す。

 床板や台車は共通なのでいいとして、本来はボディや屋根板などを分売パーツによって揃えられるとぐっと楽なのだが、今回の工作のためにメーカー直販で入手できた分売パーツはパンタグラフを搭載しない先頭車用の屋根板のみ。もっと手軽にするならば3300系の同じ4両セットをもう1セット用意して、編成を半分ずつ合わせて4000系と同じ屋根配置にしてしまうという技もあるが、そちらは非常に高価になる。

 結局ここでは中古鉄道模型販売店やヤフオクなどからかき集めて差し替える方法で落ち着いた。分売パーツ交換よりもロスは大きいが、3300系2セット組み替えによって出る余りよりはマシ。ということにしている。今回は1両だけ5000系が混じっているが、形状は3300系と違いがないので問題なく混用できる。ただし乗務員室扉よりも前の帯の処理が4000系とも違うので、そこだけどうにかしないといけない(組み替えてから気づいた)。

■塗装の件

 瀬戸線は車両基地の都合で塗料による塗装ができなくなり、この4000系からは前面も含めステッカーによる赤帯貼付となっている。さらに工程簡略化のためか、赤帯は腰部のみとなっている。種車にする3300系は登場時塗装のものが好ましいが、台車の都合から4次車以降を利用するため、車体がおのずと窓上にも帯の入る新塗装となる。本当は一旦色を落としてから塗り直すのが正統であろうが、ここでは実車同様工程簡略化のために窓上の幕板部に油性サインペン"マッキーペイントマーカー"のシルバーを利用して塗りつぶすのみにした。光の加減によっては目立ってしまうが、遠目に見るぶんには問題なさそうなので採用。上写真のうち上の車両が塗りつぶし後。車体上方にわずかに銀の色相の違う部分が確認できると思う。

 上述した種車が5000系のとなる先頭車は、先頭部の帯の処理が異なり斜めに切れているため、過去にグリーンマックス・クロスポイントから発売された丸ノ内線03系キットのステッカーから赤帯を切り出して貼り付けた。

■前面の工作


 ここからはついに本格的に工作開始。前面を交換する。

 車体から前面パーツを切り出すが、左図のオレンジ色で示した線に沿ってカットする。日本車輌製造の日車式ブロック工法を採用する3300系では、各ブロックの接合部となる継ぎ目が各扉周辺などにあるのでそれが目印となる。オレンジ色線の部分にも継ぎ目線があり、乗務員室扉まわりから進めていって天井にかけては屋根板前端に合わせてまっすぐ切り落とす。ここにもパーティングラインがうっすらあり目印にできる(5000系との金型差し替え時の継ぎ目?)。

 切り落としたら切り口を整えてBトレインショーティの前面パーツを取り付ける。ショーティモデルだが前面はスケール通りで、製品の都合によって側面のみすこし長いので、前面パーツ裏面にある溝に沿ってすこしカットすると合いがよくなる。接着はゴム系と瞬間接着剤の併用でイモ付けした。

 前面パーツの接着を待っている間にスカートの加工。

 スカートも4000系独自の形状で、高速走行や他車との増解結をしない瀬戸線用ということで小型になっている。もちろんBトレインショーティのパーツを活用するが、シャーシパーツの都合で中央部が切り取られた形となっているため、実車同様に復元する。Bトレインショーティのスカートは大きな穴が2つと突起と合わせる独自の構造で前面パーツと固定される。そもそも接着剤不要の簡単組立が売りだったのでそれによるものだろう。今回は3300系のライトユニットをそのまま生かして点灯化したかったので、そのあたりの構造はジャマになるので取り去った。スカートの工作にはパーツのうち取り去った部分を生かした。上図下段のイラストに工法を示す。同じ素材のほうが接着時や塗装時にまわりとの調和が取れると感じ、この工法に至った。

 前面が完成。

 Bトレインショーティから持ってきた前面パーツは違和感なく接着できた。前面を交換した以外は製品状態に復しているため、ライトユニットは戻している。3300系と4000系では前照灯と尾灯の収まるライトケースの位置が同じなので、ライトケースの灯具部には穴を開けてライトユニットから導光できるようにした。またライトユニットには乗務員室仕切りを再現したステッカーを貼り付けている。3150系・3300系のディテールアップ用に作成したものだが、いまでは3100系などにも波及して使用している。

■側面の工作

 側面は大きな工作をしていない。前述の通り窓上の帯は消去している。車番は工房在庫を並べ替えて再現し、行先表示は自作したものを貼付した。名古屋本線系統で活躍する3300系はすべて新塗装になったが、4000系は名鉄ステンレスシリーズ初期のシンプルな姿を残している。側面方向幕や側灯の配置が3300系とは異なる部分があるが、そこも今回はスルーしている。あくまで簡単に、イメージ勝負で...

名古屋鉄道 4000系

完成

 おつかれさまでした。完成です。

 名古屋市中心街・栄町駅への乗り入れ30周年の節目に投入された4000系は、2000年代の瀬戸線を担う名鉄でもめずらしい通勤型電車。本線の新型電車ほどのスピードも出ないが、今日も瀬戸路をくねくねのんびりと走っている。


名古屋鉄道 4000系

フォトギャラリー


  

home

注意と免責事項

●このサイトは各種メーカーや、鉄道会社、その他団体と一切の関係はございません。

 掲載の項目について問い合わせなどされることの無きようよろしくお願い致します。

●このサイトのコンテンツなどによって損害等を負った場合でも当方では責任を負いかねます。

 自己責任で楽しい模型ライフを。