東京都交通局 浅草線 5000形

Toei Transportation - Series"5000"

 1960年、都営地下鉄浅草線の開業に合わせて投入された車両。

 当初は2両編成を基本としていたため、先頭車が中心の構成で最大8両編成まで組まれた。運用は浅草線のみならず、当時直通運転を開始した京浜急行線や京成線にまで広く用いられた。車両デザインは当時地下鉄丸ノ内線で活躍していた500形によく似ているが、浅草線両端で直通する各社にあわせて適正化されている。特に前面は京成電鉄側で直通運転用に投入された(旧)3000形電車と尾灯の配置などがよく似ている。

 1990年代に入ると新型車両5300形が登場。順次置き換えられていった。

 Nゲージではその昔、グリーンマックスのプライベートブランドである"クロスポイント"名義で組み立てキットを発売していたそう。のちにグリーンマックスが完成品としてリニューアル。中間車もラインナップされ、組成変えが多かったという実車にあわせて様々な時代の編成をセットにして発売している。うちにいるのはアイボリーに赤いラインの新塗装だけなのでこのページでは以降も同じ色だが、もちろん登場時の塗装も発売されている。グリーンマックスの完成品発売からしばらくしてからマイクロエースからも発売された。特徴のある車体は各々のメーカーがそれぞれの解釈で表現しているようなので、お好みで選ぼう。なおどちらも1/150では極小となる上部の標識灯の点灯化は諦めている。

 ここで掲載しているのはクロスポイントブランドで2021年ころ発売された[都営地下鉄5000形 更新車+未更新車・新塗装 6両編成セット(品番:10455)]という製品。2両編成×3編成という先頭車のみの組成で、そのうち1編成[5001-5002]が未更新車という構成のセット。そもそもグリーンマックス・ザ・ストア(直販店)のすみっこのカゴでバラバラに袋詰めされた状態で特価品とされていたもの。フリーランス車両として活用する予定だったが、以降の浅草線車両も保有していることからせっかくならと5000形のまま整備した。

 また2023年7月には4両編成1本+中間車単品1両の計5両を増備。4両編成は[都営地下鉄5000形 更新車・新塗装 増結4両編成セット(品番:30391)]という製品で、初めての4両貫通編成。単車1両はパンタなしの中間車で、中古模型店でジャンク品から拾ってきた車両。編成を組み換えて遊ぶ時に使用する。

東京都交通局 浅草線 5000形

保有編成表

5004   5003   5032   5031   5002   5001

5140   5139   5138   5137

  5082



東京都交通局 浅草線 5000形

ディテールアップ

 カプラー交換

 グリーンマックスの得意技で編成中に収まる先頭車同士はドローバー連結だし連結間隔もまちまちなのですべてTNカプラーに交換した。また先頭部にはジャンパ管などが表現されている密自連形TNカプラー[品番:JC6365(キハ40系列用)]を取り付けてディテールアップした。ジャンパ栓の位置や管の生え方が当たらずといえども遠からずで好印象だ。またカプラー自体は両側面に3つある固定穴のうち、1番連結面から遠いものを切り落とせば固定穴も生かしたまま取り付けできるのでごく簡単である。

 またその後ろにはグリーンマックスの排障器パーツを取り付け、台車周りの混み合う様子を再現している。なお排障器の装着にはカプラーポケットが必要なので、中間連結部の台車と振り替えている。またJC6365と合わせると排障器の固定部が干渉するので現物合わせで削る必要がある。

 

 スカートのない車両では、お手軽でもこのような表現をしておくことで一気に映える。

 未更新車のディティールアップ

 この系列には登場時の姿を継承している"未更新車"と、近代化改修をうけた"更新車"が存在しており、1番判別しやすいポイントはヘッドライトの大きさ。登場時は白熱球のようで、更新時にシールドビーム化されてライトケースごとすこし小さくなったという経緯がある。

 先述の通り、ここで保有している編成では未更新車と更新車が混ぜられていて、製品でも車体とライトケースは金型差し替えによって作り分けられている。しかしライトユニットのみ更新車のほうで統一されて共通部品となっており、ライトケースに対して実際に光る部分が小さいので、ネットの海を参考にしながら広げてみた。

 

まずは加工前の未更新車(左)と更新車(右)を比較。

朱色帯上にあるヘッドライトの大きさは違うが、フチが広いだけで中央の黒い部分は同じサイズであることがわかる。

 

あと行先方向幕の幅と貫通幌の枠形状が異なっていたんですね。

この写真撮ってから初めて気づきました。

 

そして早速加工後。右が加工後の未更新車。

もともとの開口部にピンバイスを入れ、少しずつ慎重に穴を広げていく。使用したサイズは[1.2→1.3→1.4]で、太くするにつれてあまり奥まで入れずに前面から見える部分を広げるイメージで。

 

開口部を広げただけなので前照灯のレンズとは隙間ができるが、裏からはめているライトケースのパーツは成型色が黒なのであまり目立たない。実車はこの部分が白熱球の反射材で銀色に見えるので、銀色を差しておいた。

 

加工後に前照灯を点けた様子。左が未更新車で右が更新車。

ライトユニット自体は同じなのだが、隙間ができたことで発光部が広がってちゃんと大きく見える。

 

実車では最後まで未更新のまま残った車両がいるようで、Youtubeなどでも資料になりうる動画を見ることができる。未更新車の前照灯は今回の改造例もマイクロエース製品も大げさに大目玉に表現しているが、本当に大きいので確認してほしい。


東京都交通局 浅草線 5000形

後継たちと。

 後継の5300形・5500形との集合写真。

 意図的かどうかはわからないが、5300形では5000形の前照灯の形状が継承されている。また5500形では5300形の特徴的な前面形状が継承されて令和世代の新しい顔に落とし込まれているように見える。60余年の浅草線の歴史の中で、先代の印象を損なうことなく時代に合わせて新しくされているように見え、とてもよい。浅草線の印象的な車両たちは今後も皆の記憶に残るだろう。


  

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